やさしく解説|「縮毛矯正の仕組み」

髪のうねりや広がりに悩むとき、縮毛矯正はとても心強い選択肢です。
しかし仕組みを知らないまま受けると、仕上がりや持ちが思った通りにならないことがあります。
縮毛矯正は「還元→熱成形→酸化固定」という三段階の化学反応で髪の形を作り直す施術です。
この記事では、「縮毛矯正の仕組み」を化学の観点からわかりやすく解説し、サロンで失敗しにくくなるコツまでお伝えします。
そもそも、髪はなぜうねるの?|タンパク質と結合の話

髪は主にケラチンというタンパク質でできており、その内部では「シスチン結合(ジスルフィド結合)」などの結合がはしごのように形を支えています。
くせ毛はこの結合のバランスや配列が部分的に偏っているため、乾くと曲がりやすくなります。
縮毛矯正は、この結合の一部をいったん切り離して並べ直し、まっすぐの形で再固定する化学プロセスです。
髪の基本構造(おさらい)
層 | 役割 | ポイント |
---|---|---|
キューティクル | 外側の鱗状保護膜です。 | アルカリや熱で開きやすく、ダメージがあるほど薬剤が入りやすくなります。 |
コルテックス | 髪の形と強さを決める中心部です。 | ここにあるシスチン結合をコントロールして形を変えます。 |
メデュラ | 髪の最内層で、存在しない髪質もあります。 | 縮毛矯正の主戦場はコルテックスです。 |
縮毛矯正の仕組み(化学反応の三段階)

- 還元(1剤):還元剤がシスチン結合を開き、髪の内部を可塑化して動かせる状態にします。
- 熱成形(アイロン):まっすぐにテンションをかけつつ熱で水素結合などを整列させ、狙った形に揃えます。
- 酸化固定(2剤):酸化剤で再結合させ、まっすぐの状態をロックします。
ポイントは「薬剤の力」×「pH」×「時間」×「温度」のバランスを髪質とダメージ履歴に合わせて最適化することです。
この調整こそがサロン技術の核心で、同じ薬剤でも結果が大きく変わります。
主要な還元剤の違い(一例)
種類 | 特徴 | 向きやすい髪 | 注意点 |
---|---|---|---|
チオ系(チオグリコール酸など) | 反応が早くパワーがある王道薬剤です。 | 健康毛や強いくせに。 | 過膨潤に注意し、放置時間とテストを厳密に行います。 |
システアミン | 匂いが残りやすいがマイルドに効かせやすいです。 | 細毛・繊細毛や部分的なくせに。 | 放置ムラを防ぎ、均一塗布が鍵です。 |
サルファイト | 穏やかに働きやすい補助的薬剤です。 | 微細なくせやダメージ毛に。 | 単独では力不足の場面があり、設計が重要です。 |
近年は酸性域で行う「酸性ストレート」も選択肢に入り、ブリーチ毛などアルカリに弱い髪への適応が広がりました。
ただし酸性なら必ずダメージが少ないというわけではなく、熱や処理設計の巧拙で結果は変わります。
サロンで受けるメリット|“診断”と“熱コントロール”が命

- 髪の強度・太さ・既施術履歴を踏まえた薬剤式とpH、放置時間の設計ができます。
- 軟化テストで「今、どこまで結合が開いたか」を確認しながら進められます。
- アイロン温度・プレス圧・スルー回数を部位別に調整し、オーバー加熱を避けられます。
- 顔周りや生え際など“繊細ゾーン”を別配合・別工程で守れます。
同じ「縮毛矯正」でも、診断と熱コントロールが違えば、手触り・持ち・ツヤがまるで別物になります。
仕上がりを左右する5つの科学的ポイント

- 前処理・中間処理で等電点に近づけ、薬剤や熱の効き方を安定させます。
- 水分量を管理し、アイロン前は“しっとり8~9割乾き”を目安にします。
- 毛先と根元で薬剤濃度や放置時間を変え、既矯正部の再ダメージを避けます。
- アイロン温度は髪質基準で段階設定し、プレスは必要最小限にします。
- 酸化は十分量・十分時間で行い、再結合をしっかり固定します。
「早く強く」ではなく「正しく穏やかに」が、美しい持続と柔らかさへの近道です。
よくある誤解Q&A

Q.縮毛矯正は一度やれば半永久ですか?
A.既に矯正した部分は形を保ちますが、新しく生えてくる根元にはくせが出ます。
目安として3~6か月でリタッチを検討します。
Q.カラーと同日にやっても大丈夫ですか?
A.髪の状態やメニュー設計次第です。
負担を分けるため、基本は日をずらすか、同日でも順序と薬剤選定を厳密に行います。
Q.酸性ストレートはダメージゼロですか?
A.ゼロではありません。
熱の当て方や酸化設計を誤ると質感低下のリスクがあります。
施術後のホームケア(化学的に正しい習慣)

- 当日は髪を濡らさない・強く結ばない・帽子で圧をかけないことを意識します。
- 弱酸性のシャンプーでキューティクルを穏やかに整えます。
- ドライ前にヒートプロテクトを塗布し、ドライヤーは根元から素早く乾かします。
- コテやアイロンは必要最小限の温度と回数にし、180℃を超えない運用を心がけます。
- 次回のリタッチは根元の伸び具合で決め、全体矯正の頻度は最小限に抑えます。
サロン施術の流れ(当店の一例)

工程 | 目的 | 科学的ポイント |
---|---|---|
カウンセリング・毛髪診断 | 髪質・履歴・ダメージを評価します。 | pH耐性・結合量・残留アルカリの推定から設計します。 |
前処理 | 薬剤の浸透と反応を安定させます。 | タンパク質・CMC補給や等電点調整を行います。 |
1剤塗布(還元) | 結合をコントロールし可塑化します。 | 部位別に薬剤・時間・塗布量を変え、軟化テストで確認します。 |
中間処理・ドライ | 残留を整え、熱工程の準備をします。 | 水分量と表面の平滑性を最適化します。 |
アイロン工程 | まっすぐに整列させます。 | 温度・テンション・スルー回数を髪質別に制御します。 |
2剤塗布(酸化) | 新しい形を固定します。 | 十分量・十分時間で再結合を促し、後処理でpHを整えます。 |
こんな方におすすめ

- 朝のセット時間を短縮したい方。
- 湿気で広がりやすい方。
- うねりとパサつきでツヤが出にくい方。
「扱いやすさ」と「ツヤ」は、正しい化学設計と丁寧な熱コントロールで大きく変わります。
まずはプロの無料カウンセリングへ

髪は一人ひとり、太さも結合量も履歴も違います。
当店では「くせの種類」「ダメージ分布」「なりたい質感」を見極め、あなた専用の縮毛矯正設計をご提案します。
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